小泉外交の悲惨
小泉首相の政治家としての資質に最初に疑問を抱いたきっかけとなったのが,靖国参拝だった。
総裁選で,小泉氏は8月15日の靖国参拝を必ず行うと公約していた。ところが,首相に就任すると,遅疑逡巡した挙句,8月13日に参拝した。
この経過を見ていて分かるのは,8月15日に靖国参拝するとぶちあげていたとき,小泉氏は靖国参拝が国内外にどれほど大きな政治的波紋をもたらすことになるか,理解できていなかったのだということである。
靖国参拝ということが具体的にどういうことを意味するのかが本当に分かっていたのであれば,総裁選のときにあれほど軽々に靖国参拝を口にすることはできなかったであろう。
あるいは,その政治的波紋の大きさを分かった上で,なおかつ,政治的信念として靖国参拝を行うというのであれば,当初の公約どおり,8月15日に参拝していたであろう。