光市事件テレビ放送に関するBPO意見書


光市母子殺害事件では,テレビディアを中心に,控訴審弁護団に対して,激しいバッシングが繰り広げられた。


これに対して,弁護団の安田弁護士,足立弁護士を初めとする
「光市事件報道を検証する会」
http://www.jca.apc.org/hikarisijiken_houdou/


は,放送機関が設立した放送倫理検証のための組織「放送倫理・番組向上機構」(BPO)の中の「放送倫理検証委員会」に対して,光市事件報道が放送倫理を逸脱し,視聴者に誤解を与え,社会に悪影響をもたらしたとして,検証のための審理を行うように申し立てた(検証する会のサイト内に申立書がアップされている)。


この申立に対して,検証委員会は調査を行ったうえ,2008年4月15日付で放送内容に問題があったとする趣旨の意見書を発表した。
http://www.bpo.gr.jp/kensyo/kettei/k004.pdf


意見書も末尾で述べるとおり,裁判員制度実施を控えて,刑事裁判報道のあり方についての検討は,緊急の課題である。少なくとも,光市事件のような報道が今後も繰り返されるならば,日本の刑事裁判は,「法以前」の段階にまで逆行することになろう。