ニューヨーク滞在記(2)

4月26日(金)の深夜にジョン・F・ケネディ空港に到着するはずが、遅れて、27日(土)の午前1時頃に到着した。

到着後入国審査に臨んだが、まず、機械でパスポートを読み取り、指紋を取られ、顔写真も写された。検査員に大声で怒鳴られながら、ようやくクリアすると、今度は入国審査官の下で、またしてもパスポート提示、指紋採取、顔写真撮影が繰り返される。指紋の記録がなかなかうまくゆかないと、声を荒げて繰り返させられる。文字通りテロリスト容疑者扱いで、不愉快なことこの上ない。9.11テロ以降、このような入国審査はアメリカに発して世界中に 広まっているが、ニューヨークほどむやみやたらに厳しいのはほかでは経験したことがない。戦争(反テロ戦争)中の国に入国するものではないという気持ちにさせられた。

こうした審査を行う職員は、決まって黒人か東洋人で、勢い、乗客の反感は彼らに向けられる。かつて、戦争中の日本軍の捕虜取り扱い担当者は朝鮮人に割り振られ、捕虜の反感は朝鮮人に向けられたのと同様の構造がここにも存在しているように思われた。

やっとこさ入国審査を通過して、ホテルに向かうのに、この深夜ではタクシーしか選択肢がない。「地球の歩き方」で白タクに注意とあったので、イエローキャブの乗車場に向かおうとすると、案内人を装った男(白人)が近寄ってきて、イエローキャブはマンハッタンにしかゆかない、近郊にゆくタクシーはあちらだと誘導され、信用して歩いてゆくと、その案内者が車を運転してきて、こちらに乗れという。つられて乗車すると、ホテルまで運転していった。到着が深夜ということで、初日は空港近くのホテルを予約していたが、ぐるぐると遠回りしてようやくホテルに着くと、150ドル(約15000円)と吹っ掛けられて、初日から散々な目に遭った。

ホテルのフロントに白タクの被害に遭ったのかと聞かれ、翌日はちゃんとしたタクシーを手配すると言ってくれた。

翌日、ホテルの手配したタクシーに乗車して、鉄道の駅まで行った。ホテルからは15ドルと言われたが、いざ、駅に着くと18ドル要求された。

その後もタクシーに乗るたびにチップの上乗せを要求され、経路は遠回りで、すっかりタクシーアレルギーになってしまった。

空港で観光客相手のぼったくりにつきまとわれたのはインドネシアのバリ島でも経験したし、タクシーの過大請求は中国の杭州やイタリアなどでも経験したが、ニューヨークの悪質さは、けた外れのように思えた。