ニューヨーク滞在記(4)

 もう少し、ニューヨークでの食事の話を続ける。

 ニューヨークでは、カフェやパブなどの軽食を提供するところは数多く見つかる。そうしたところでは、ハンバーガーやピッツアなど、如何にもアメリカン・ファースト・フード風の食べ物の他、パンにサラダといった、健康志向のものも結構目立ち、最近の流行であるように思えた。メトロポリタン・ミュージアムのようなところのカフェでも、ハンバーグやコーラのようなものより、サラダを注文している人が多いように見えた。

 そのせいか、ニューヨークでは肥満型の人は、いることはいたが、それほど目立たず、中肉中背の標準型の体形の人が多いように思えた。これは、ロサンゼルスなどとはかなり違うようだった。「アメリカでは、肥満は下層階級の特徴で、セルフコントロールのできるエリート階級は身体管理もしっかりしている」といった「アメリカ神話」は、ことニューヨークに関しては、事実で裏付けられているのかもしれない。

 前に述べたとおり、夕食はガイドブックなどに載っている名の通ったレストランを探し出して、食べるようにしていた。滞在中、イタリア料理店が2軒、韓国料理店が1軒、フランス系のビーフステーキ店1軒、アイリッシュ・パブが1軒といったところである。このうち、クラフト・ビールとハンバーガーを賞味したアイリッシュ・パブ以外はいずれも設備の整ったレストランで、料理も水準を満たした味だった。この点でも、ニューヨークは、ロサンゼルスやイギリスに比べればましという感想を持った。ただし、どれもいいお値段でしかもチップ付きというところは、いずこも同じだった。